整理整頓は「手段」に過ぎない。スタッフが自走する「相互支援のチーム」の作り方
「何度注意しても、器具がも元の場所に戻らない」
「探し物のために診療が止まり、患者様を待たせてしまう」
多くの院長先生がこうした「現場の乱れ」を、
スタッフの意識の問題だと捉え、頭を悩ませています。
しかし、ある歯科医院での取り組みを通じて見えてきたのは、
院内整備の真の目的は「お互いを助け合う風土(社風)づくり」にあるという事実でした。
今回は、「研修+会議支援」でご協力いただいている事例をもとに、
院内整備を「組織開発」へと昇華させるための
リーダーのあり方と戦略についてご紹介します。
1. 「できる人の論理」を捨て、「つまずき」に寄り添う
整理整頓が得意な先生方やスタッフの皆さまにとって、
「使ったものを戻す」という行為は”できて当たり前”のことです。
そのため、できないスタッフに対して
「なぜこんな簡単なことができないのか」と、正論で責めてしまいがちです。
しかし組織を変える鍵は、できる人が「できる側の論理」をいったん横に置き、
苦手な人を理解するよう努めることにあります。
片づけられない側の裏側には技術的な課題だけではなく、
「焦り」「パニック」「情けなさ」といった、
感情的なつまずきが隠れていることがよくあるためです。
片づけが得意な人が、片づけが苦手な人のつまずきや気持ちを理解し、
「どうすれば一緒に解決できるか」と歩み寄る(伴走する)姿勢を見せたとき、
相互の心の壁が取り払われ 院内は変わり始めます。
片づけが苦手でもあきらめず、苦手なりにできることを頑張る。
片づけが得意な人は苦手な人を理解し、足りない部分の穴埋めをしながら伴走する。
そうして医院全体でチームとしてどう一緒に改善できるかを考える。
そんな雰囲気づくりが「最強の組織開発」への一歩となります。

2. 「責任」が人を別人に変える
整理整頓に苦手意識があり、本来の力を発揮できていないスタッフがいらしたそうです
そこで院長先生が取った戦略は、あえて彼女に「責任ある役割」を任せることでした。
まずは、「あなたが良いと思える方法で改善してみて」と任せたところ、
著しく成長をとげたそうです。
責任感を持って業務に取り組むようになった彼女は、
物品管理だけでなく業務全般においても「別人のように」成長し、
今では後輩を教育する立場として自走しているそうです。
「できないからさせない」のではなく、
「役割を与えることで当事者意識を引き出す」。
これが組織を活性化させるための大きなヒントとなります。
あえてスタッフに任せる・見守る勇気も必要といえるでしょう。
3. 「裏目標」は、どんな問題も解決できる組織づくり
院内整備における真のゴール(裏目標)は、
単に院内を綺麗にすることではありません。
「できる人が、できない人を自然にサポートする」
という相互支援の風土を築くことです。
この風土が根付いた組織は片づけだけでなく、
デジタル化や新人の早期育成など、
今後直面する、あらゆる経営課題に対しても
チーム一丸となって対応できるようになります。
実際、会議支援を行っている医院様では、
すでに話し合いの内容が院内整備だけではなく、
「受付と診療室での情報共有をもっとスムーズに行うには?」など、
より本質的な改善までに及んでいます。
院長が細かく指示を出さなくても、スタッフ同士が
お互いの1mmの進歩を認め合い、仕組みでカバーし合う。
そんな「最強の組織」の土台は、バーなどの備品の定位置を決めるなど、
ちょっとした自分ごとの対話の中から生まれるのです。
【結びに】医院が目指すべき理想の状態とは
コンサルティングや組織開発の究極の目標は、
スタッフが自発的に動くことを通じて
「院長が経営や本来のビジョン実現に集中できる状態」を作ることです。
院内整備を単なる「片づけ」ではなく
「組織の根っこを作る戦略」として捉え直してみませんか?
お互いに寄り添い助け合えるチームこそ、
ビジョン実現に向けて進化し、患者様からも支持される医院の基盤となるはずです。
今日もここまでお読みくださりありがとうございます。

